永川玲二評

“ まるで、放浪の王子のような生き方 ”

 わたしたちは生きてゆく途上で、ときどき初心を忘れ、冒険の意欲が薄れることがあります。さういふときに、まるで神話に出て来る放浪の王子のやうな彼の生き方、彼の面影を思ひ浮かべることは、自分を励まし奮ひ立たせるのに非常に役に立つやうな気がします。

朝日文庫 著:丸谷才一「挨拶はたいへんだ」より引用

“ 二十世紀日本の一つの奇跡だ ”

 国際化などということがしきりに言われ、日本人が国内の特殊な状況に閉じこもっていないで世界に向って自己を開くことが求められているようだ。が、そのことがいくら言われても空しい掛け声にしかひびかないのは、そこに具体的な実践例が欠けているからである。真に国際化された人間とはこういうものだと、しかしわたしなら永川玲二の場合を実例としてさし出してみたい。いかなる留保もなくわたしはそうすることが出来る。国際化とはたんに外国語が出来るとか何とかの問題でなく、友愛を以てどんな人間(言語・民族・宗教のちがいを持つ人間)とも共存してゆくすべを探る人間であることを、永川玲二は身を以って証明してみせている。大が小を、多数が少数を、支配するものではない。小も少数者もそのままで大と多の中に共存しうる世界こそが、これからの地球を救う唯一の可能性だと言っている。

 永川は鳥取県の生まれだが、日本海側の雪に閉ざされた地方からこういう自由で開かれた精神が生まれたことは二十世紀日本の一つの奇跡だ、とさえ言いたい気がわたしはするくらいである。

中野孝次著

岩波書店 岩波同時代ライブラリー218  著:永川玲二「ことばの政治学」内の解説(P345〜P351)より引用

“ まず最初にこちらの本を読んでください ”

 本は何でもそうですが、歴史書もまず面白くなければ全く意味がありません。つまらない本から読み始めると、それこそ歴史嫌いになってしまいます。そこで、まず最初にこちらの本を読んでみてください『アンダルシーア風土記』(岩波書店)です。「アンダルシーア」は、イスラム王朝が支配した時代のスペインの呼称で、この時代に関する話が中心です。

日経BP社 著:出口治明「ビジネスに効く最強の「読書」」P88〜P89から引用